(眩しい・・・)
女を見上げて望月は思った。
女は照明を背にしており、顔は見て取れなかった。
ただ肩口から流れる長い髪が印象的だった。
女「それじゃあ、行くわね」
も「は、はい・・・」
女「ふふっ、どうしたの?」
も「いえ・・・何でも・・・」
女「そう」
も「・・あのぅ・・・」
女「なに?」
も「あっ、ありがとう・・・」
女「ぶつかってきた人に、『ありがとう』は無いんじゃないの?」
も「でもぉ・・・」
女「そうね、ありがとう」
も「・・うん」
女は会話を終えると、望月の脇を足早に抜けていった。
望月の歩いた場所を女が歩いていった。
望月とは違う確固たる足取りで。
も「わたしも・・・行かなくっちゃ」
望月の視線が自分の歩むべき方向へと向けられた。
も「俯いてたら、駄目だから・・・」
も「あの人みたいに、前を向いてちゃんと歩いていたいから・・・」
心に決めた言葉が望月の口から漏れた。
望月を取り巻いていた世界が静かに動き出した。
(この回はたぶん終わり)
(次回予告)
偶然にも出会った「なっちゃん」と「もっちー」。
人はそれを運命と呼ぶ。次回「再会」。
引き寄せられてゆく2人の未来は・・・