も「(がちゃっ)おはようございまーす」
な「あ、もっちー。おはよー」
も「え!? あ! いや! なっちゃん、髪切ったの!?」
な「あははははははは! もっちー、今、すごい顔だったよ!」
も「え、あ、そう? うふふふふふふふ♪
あ、でも、なっちゃん、かわいいかわいい! 短いのもすごく似合ってるよぉ♪」
な「そーお? ありがと、もっちー♪
うん、まあね、だいぶ髪も傷んでたから、この前……」
由「(がちゃっ)おはようございまーす!」
も「あ、由美子ちゃん、おはよー」
な「おはよー」
由「あ、二人ともおはよー」
も「あれ、由美子ちゃんも髪切った?」
由「え? あー、うん、この前なっちゃんと二人でさぁ……♪」
な「そうそう、今ちょうどその話してたとこなの。
この前みんなで奈々ちゃんのライブ見に行ったじゃない?
あの後もっちーは仕事だったけど、
あれから帰りに由美子ちゃんと一緒に切りに行ったの」
由「まあね♪ でもそこまでバッサリいくとは思わなかったよ。
隣で見てて、えぇ!? ほんとにそんなに切っていいのぉ!?
ってあたし思ったもん」
な「あははははははは! ね! 美容師さんもほんとにいいんですか?
ほんとにいいんですか? って何度も言ってたもんねー」
由「まあねー。でもそりゃ、確認したくもなるってもんさ」
も「へー、そうなんだ……。ふふふ……」
奈「(がちゃっ)おはようございまーす」
な「あ、奈々ちゃんおはよー」
奈「え!? あ、なっちゃん!? 髪切ったの!?」
な「あははははははは! うん、まあねー」
由「この前奈々ちゃんのライブ終わったあと、あたしと一緒に切りに行ったんだ♪」
奈「え? あ、由美子ちゃんも切ったんだー」
由「うん、まあね♪ なっちゃんほどじゃないけどね」
な「あ、そういえば奈々ちゃん、この前のライブ、すっごくよかったよー」
由「あー、うんうん。すっごいかっこよかったー」
も「うんうん。本物の歌手って感じだったー」
由「って、もっちー、奈々ちゃんは本物の歌手なんだけどねー……」
な「あっははは! もっちー!」
も「え! あ、そっか! でもほんと、かっこよかったよ、奈々ちゃん」
奈「えー、ほんと? ありがとー。
でもでも、二人ともその髪すごいかわいい。すごい似合ってるよー」
も「ねー♪ 似合ってるよねー♪」
な「そーお? ありがと♪」
奈「……へー、そうなんだー。二人で一緒に切りにいったんだー……。
ねえねえもっちー。もっちーは髪切らないの?」
も「え? 望月? うーん、そうだなー」
な「あー、そうだね、もっちーも髪切ってもかわいいと思うよ」
由「あー、そうかも。うん、もっちーも短いの似合いそう」
も「そうかなぁ? うふふふ……」
奈「そうだよ。別になっちゃんほど短くしなくてもいいけどさ、
今度私と一緒に切りに行かない? 私もそろそろ髪切ろうと思ってるんだけど……」
も「え? 奈々ちゃんと?」
奈「うん、いいでしょ? ……私とじゃいや?
私ともっちーって、あんまり一緒に遊びに行ったりする機会がないから……」
も「(ちらっ)」
な「(もっちーと目があう。しかしすぐに視線を外して)
……うん、そうだね。いいんじゃない、たまには?
そうだね、そういえばもっちーと奈々ちゃんがふたりっきりでいるのって、
あんまり見たことないしね」
由「あー、そういえばそうかも」
も「……あー、うん、そうだね……。じゃあ奈々ちゃん、一緒に行く?」
奈「え、ほんと!? じゃあじゃあ、もっちー、今日このあと、空いてる?」
も「あ、うん、空いてると思う」
奈「じゃあ、今日、大丈夫?」
も「うん」
由「まあ、お二人とも、お熱いわー♪」
な「………」
そして、収録終了後、ここは控え室。
おしゃべりをして時間をつぶすなっちゃんと由美子ちゃん、そしてもっちー……。
な「あー、今日もしゃべったわー」
由「うそぉ? なっちゃん、四人の時はほとんどしゃべんないじゃん。
もっちーと二人だけの時はしゃべりまくってるのに」
な「そうかなー? あー、でもそうかも。
四人の時は、あたし聞き役になってるかもねー。
なんせ三人の若さには、あたしゃちょっとついていけないところがあるよ……」
由「えー? なにそれなにそれ? ちょっとぉ。
みんなほとんど年もかわんないんだしさー。もっと元気出していこうよ、なっちゃん!」
な「えぇ? あたしはもういいわよぉ……」
由「なぁんでよー!?」
な「あははははははは……」
な「あ、もっちー、もう帰んの?
あ、そっか、今日は奈々ちゃんと髪切りに行くんだっけ……」
も「あ、うん。なっちゃんはまだ帰んないの?」
な「いや、もう帰るけど。由美子ちゃんは?」
由「あー、うん、もう帰るよ。あ、そうだ、なっちゃん、
もっちーと奈々ちゃんが二人で帰るんだったら、
あたしたちも二人で一緒に帰んない? カップル二組成立ってことで」
な「え!? あー、あたしは今日、このあとちょっと用事があるから……」
由「えー? そうなんだ。ふぅーん? つれないなー、なっちゃん」
な「あはは……、ごめんねぇ……」
奈「(がちゃっ)もっちー、お待たせ。
ごめんね、ちょっとマネージャーと話があって」
も「ううん、全然待ってないよ」
奈「そう? ごめん。じゃあ行こっか。
それじゃ、なっちゃん、由美子ちゃん、お疲れさまです」
な「ああ、うん、お疲れー」
由「お疲れさまー」
も「じゃあ由美子ちゃん、お疲れさま。またね、なっちゃん」
な「うん、じゃあねー……」
由「お疲れさまでーす」
ドア「ばたん」
な「……さて、と! じゃあ、あたしも帰りますか!
それじゃあね、由美子ちゃん」
由「あ、うん、じゃあね、ってあたしももう帰るけど、そこまで一緒に……」
ドア「ばたん」
由「……って、早っ!! なっちゃん……」
奈々ちゃんと二人、街を歩くもっちー。
奈「ねえねえ、もっちーっていつも、どこで髪切ってるの?」
も「あー、うん、わたしはねー、地元のお店」
奈「へー、そうなんだ。じゃあ、今日は私がいつも行ってるところでいい?」
も「うん、いいよ。楽しみ楽しみ」
奈「……ねえ、もっちーとさ、二人でこうして一緒にいるのって、私たち、あんまりないよね。
もっちーって、いつもなっちゃんと一緒にいるような気がする」
も「あー、うん、そうかも。なっちゃんとはいつもよく一緒に買い物に行ったりするよ。
この前もなっちゃんと一緒に買い物に行ってー。なっちゃん、すごいんだよー!
すっごいお店混んでるのに、いっぱい買い物してるの!
もうほんと、なっちゃんはバーゲンの女王様ってかんじ!
そういえば今度、お揃いのパジャマ買いに行く約束してるんだ♪」
奈「ふーん……。もっちーって、なっちゃんの話するとき、
すっごい楽しそうだよね……。なんか、見てる私まで楽しくなっちゃう……」
も「え? あ、うん、そうかなー? でも、そうかも。
わたしもなっちゃんの話するのは楽しいかな? なっちゃんといるとおもしろいから。
そういえばこの前買い物行ったときも、二人で一緒のマフラーしてたんだけどー、
二人ともすっかり忘れちゃってて、離れられなくなっちゃってー、
二本も電車、見送っちゃったのー。おかしいでしょー? うふふふふふふふ♪
……奈々ちゃん、どうしたの?」
奈「え? ううん! アハハハハ♪ それ、おかしいね。
なっちゃんって結構しっかりしてそうだけど、そんなこともあるんだー」
も「うーん、でも、わたしのドジが移ったのかも。わたし、ほんっとにドジだから……」
奈「えー? でも、もっちーって、そういうところがかわいいんじゃない?
こんなこと言ったら失礼かもしれないけど、もっちーってほんと、年上に見えないよ。
すっごいかわいいというか、チャーミングだし……」
も「そうかなぁ? でもわたしは奈々ちゃんがうらやましいよ。
すごいしっかりしてるし、歌もうまいし、頭もいいし、きれいだし。
ほんと、わたしも奈々ちゃんのこと、年下に思えない。お姉さんみたい。
うふふふふふふふ♪」
奈「そうかな……。……あ、ここここ。
そういえば予約してきてないけど、大丈夫かな?」
も「へー、すてきなお店だね」
ドア「からんからん」
そこは表通りに面したヘアサロンだった。
壁はガラス張りで、外からお店の中の様子がうかがえる。
幸いお店は空いていたようで、二人は髪をカットするようだ。
そしてここは、通りをはさんで反対側にあるカフェ。
そこには、二人のあとをつけるなっちゃんの姿があった……。(ベタベタだな……)
な「(ふーん……。もっちー、結構楽しそうじゃん……。
会話も弾んでるみたいだし……。まあ、奈々ちゃんが話うまいからねー。
それにしても二人、どういう話してるのかしら……。気になるわ……)」
?「ご注文は?」
な「えーっと、じゃあ、ミルフィーユとミルクティー……、
ってあれ!? 由美子ちゃん!? なんでここに!?」
由「(なっちゃんの向かいの席に座りながら)
えー? なんでって、なっちゃんの後、つけてきたから。
それよりなっちゃん、声大きすぎ」
な「え? あ、ごめん。って、え!? うそぉ!? あたし全然気付かなかった!」
由「そう? じゃああたし、この業界でやっていけなくなったら、探偵にでもなろっかな」
な「まーた、世知辛いことを……」
店員「ご注文よろしいでしょうか?」
由「あー、じゃああたし、モンブランとコーヒー。(←栗きんとん大好き)
こっちは、なんだっけ? ミルフィーユとミルクティー」
店員「かしこまりました」
由「……で? 何やってんの? 四葉ちゃんのまね?
もっちーと奈々ちゃんをチェキよー! なーんて。
……なっちゃん、この後用事があるって、さっき言ってなかった?
もしかしてあたし、フラれちゃった?」
な「え? あ、ううん、そういうわけじゃないけど、
『フラれちゃった』って由美子ちゃん、あはは……」
由「なになに? プリッツの影のボスとしては、ほっとけなかった?」
な「え? まあ、そうね! プリッツの影のボスとしては、
メンバーの動向はチェックしないわけにはいかないからねー!」
由「……うそばっか。単にもっちーが気になるだけのくせに」
な「え……?」
由「まあどうせ、こんなこったろうと思ったけどね。
奈々ちゃんがもっちーを誘ったとき、なっちゃんちょっと寂しそうな顔してたから」
な「え……? そう? そんなことないと思うけど……。
なんで奈々ちゃんがもっちーを誘うと、あたしが寂しがるの……?」
由「……あたしはねー。なっちゃんが気になったから、つけてきたんだ……。
あたし、なっちゃんのことが、好きだから」
な「え……!? 好きって……。うん、あたしも由美子ちゃんのこと、好きだよ」
由「……そう? ありがと。
……じゃああたし、それ言いに来ただけだから。じゃあね。
あ、お金はここに置いておくから。よかったらあたしの分も食べて」
イス「がたっ」
な「え……、ちょっ、由美子ちゃん……」
続く