これまでのあらすじ
奈々ちゃんともっちー。
二人がより仲良くなればと考え、もっちーをけしかけたはずのなっちゃん。
とはいえ、そうした思惑とは裏腹に、なっちゃんは一抹の寂しさも感じていた。
そこへ、突然の由美子ちゃんからの告白。
なっちゃんのことが好きだと告げるだけ告げて、由美子ちゃんは去ってしまう。
気が動転して話をごまかすことしかできなかったなっちゃん。
そんななっちゃんの目下の悩みの種といえば、
由美子ちゃんが注文していったモンブランとコーヒーをどうするかであった……(違
ところ変わって、ここは奈々ちゃんともっちーがいるヘアサロンの店内。
店員1「えー? 水樹さん、ほんとにこんなに切っちゃっていいの?
今時珍しいぐらいキレイな髪なのに、もったいないと思うけど……」
奈「いいんです。バッサリいっちゃってください」
も「奈々ちゃん、ほんとにそんなに切っちゃうの?」
奈「うん、いいの、もっちー。私、今から生まれ変わるの」
店員1「えー? なになに? 水樹さん、なんかあったの? もしかして失恋?」
奈「アハハハハ♪ 今時失恋して髪切る子なんているんですかー? ねー、もっちー」
も「え? うん、えへへ……」
店員1「そう? たまにうちにもそういう子、来るけど……。じゃあいいのね?
うん、そうね、水樹さん、ショートも似合うと思うよ。
顔立ちもはっきりしてるし。じゃあ、バッサリいっちゃうから」
奈「はい、お願いします!」
も「………」
店員2「こちらの方はどうなさいましょうか? お隣の方みたいに切ってみます?」
も「え!? いいえ、あの、適当で結構です」
店員2「そう? じゃあ……」
ドア「からんからん」
店員「ありがとうございましたー」
も「うわー、奈々ちゃん、切ったねー。うん、でもかわいいよ」
奈「そう? ありがと、もっちー。……うん! なんかいろいろさっぱりした!
でも、首筋がスースーする♪」
も「うふふふふふふふ♪」
奈「アハハハハハハハ♪ ……ねえもっちー。
私、もっちーに話があるの。ちょっとそこの公園まで、いい?」
も「え? うん、いいけど? どうしたの、奈々ちゃん……?」
公園に移動する二人……。
も「……どうしたの? 奈々ちゃん……」
奈「……ねえ、もっちー。さっきの話の続きだけどさ……」
も「え? さっきの話って?」
奈「ほら、行きに話してたこと。
もっちーって、いつもなっちゃんと一緒にいるねって……」
も「あー、うんうん♪ え? それで……?」
奈「……うん。もっちーって、なっちゃんのこと……。
……ううん! ねえ、もっちー! 私、もっちーのこと、好きなの!」
も「え? あー、うん、わたしも奈々ちゃんのこと、好きだよ♪」
奈「ううん、そういうことじゃなくって……。
さっき髪切るとき、私、生まれ変わるって言ったでしょ?
私、自分にもっと素直に生きたいんだ……。
……もっちー見てると私、いろんなこと考えるの。
なんだか自分がいやな人間のように思えてきたり、
もっちーみたいに生きられたらすてきだろうなー、って思ったり……」
も「え、ううん、そんなことないよ……」
奈「ううん。そんなことない。なっちゃんとのことにしても、
もっちー、なっちゃんといると、ほんとに楽しそう。
私、ああいうふうに感情表現するのって、苦手だから……。
……私、ほんとはもっと、もっちーと一緒にいたいの!
もっちーのこと、ほんとに好きだから!!」
も「え……? それって……」
?「がさっ」
奈「?」
も「……あれ? なっちゃん?」
奈「え……」
顔面蒼白になり、走り去るなっちゃん。
も「なっちゃん!!」
奈「……もっちー……」
なっちゃんの方を二度三度振り返りつつも、その場にとどまるもっちー。
奈「……もっちーはなっちゃんのこと、どう思ってるの?
私がもっちーのこと思ってるのと、一緒……? 私のことは……?」
も「え……? わかんない……。わかんないよ、そんなの……」
黄昏てゆく公園。
もっちーは、どこへ向かうともなく、
しかしなっちゃんが去った方向とは反対側の方向へと、一直線に走り去っていく。
今なっちゃんに会うのは怖い。それはもっちーの本能だった。
その場に残される奈々ちゃん。
奈「……もっちー……。
……私、やっぱり素直になっちゃ、いけなかったのかな……」
なっちゃんともっちー。
最初はただの遊びだった。
女の子同士の恋愛ゴッコのつもりだった。
二人とも、超えてはいけない一線は、わきまえているつもりだった。
だが、二人の行為は由美子ちゃんと奈々ちゃんに火をつけてしまう。
由美子ちゃんと奈々ちゃんの突然の告白。
予想外の相手からの告白は、なっちゃんともっちー、
二人の本当の気持ちを再認識させてしまう。
交錯する四人の想い。
もうあのころには戻れない……。
終劇。