桑「またまた、いつか来て下さい」
小「呼んで下さい!!」
桑「あたし達の一存でどうにかなるもんではないんでね」
なんだか寂しいラジオの締めくくりだった。
「これからはパピーズ中心でいく」っていう偉い人たちの決め事で
あたしたちPritsは行き場を失おうとしている。
桜の散りはじめる頃のラジオ収録。
桜ではじまって桜と共に終わってしまうの?
わたしは不安でいっぱいで、それを隠そうと明るいふりをして
収録を乗り切った。
収録の終わった現場でぼーっとしているわたしに声を
かけたのは由美子だった。
小「なんだよ、さっきの台詞!あんな言い方ないだろ」
桑「仕方ないでしょ、事実なんだし。ディレクターにも言われたでしょ。
新しい若い子たちが出る場を作り続けるために、あたしたちの出番はなくして
いくんだって」
小「なっちゃんはそれでいいのかよ?」
桑「いいんじゃない?だってあたしと違って小林様も奈々ちゃんも、そして
もっちーだって今じゃ売れっ子なんだし。もう4人でつるむ必要なんか」
小「そういうことじゃないだろ!」
由美子は真剣な顔であたしを睨んだ。でもわかる、それは憎んでいるから
じゃないってことが。
由美子の瞳を直視できず、あたしは由美子に背を向けてしまった。
小「なっちゃん」
桑「な、なによ・・・」
小「ないてるの・・・?」
桑「ち、違う、そんなこと」
こらえていても涙が溢れてくる。悔しかった。
小「無理しないで、ここでは思いっきり泣いていいんだよ」
あたしの背中をふわっと抱きとめる由美子の両腕。
いつしかあたしの頬は流れ出る涙でいっぱいになっていた。
言葉にならない感覚があたしを満たしてくる。
一旦由美子の腕を振りほどくと今度はあたしから由美子を
抱き締めていた。
桑「ありがとう」
小「・・・・!!」
その時、なぜかあたしは由美子の唇を奪っていた。
小「や、やだ、」
桑「あっ・・・」
由美子はあたしの手から離れ、駆け足でスタジオを後にした。