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今夜の番組チェック

 

 

小「あけおめー!ことよろー!!メリクリー(注:メリークリスマス)!!!」
桑「さ〜、小林様、しょっぱなっから酔っぱらっております!」
望・水「よいしょー!!」
小「酔っぱらってないから!ま、ちょっと飲んだけどね」
小「・・・」
水「ほら、もうひとこと」
小「全然酔ってないからね。きょうはいくよー!!」
桑・望・水「やばーい、ぃやっばーい、やば〜い!!!」
小「酔っぱらってないから大丈夫だよ!!」

明日の仕事まで時間のないあたしたちは早くもクライマックス。露天風呂に
つかりながらの宴会を始めた。まずは由美子ちゃんのほろ酔いトーク。
みんな、ここから始めようって思ってた。

小「もう、みんな私のこと酔っぱらいみたいに言うんだから」
桑「でも顔真っ赤だよ」
小「大丈夫。ちょっとのぼせちゃっただけだって・・・」

月明かりの中、由美子ちゃんは火照りを冷まそうと全身を夜風にさらした。
すこし桜色に染まった肌が色っぽい。

望「由美子、スタイルいいんだぁ〜」
水「恋してるせいなのかな?その色っぽさは」
小「はぁ?みんな大したスタイルじゃないだろ・・・あ、あんまり見ないでよ。や、やめてったら。恥ずかしい」
桑「この幸せ者!意中の”あの人”には衛のマネで迫ったりしないよなぁ」
小「ばか・・・」
望「望月はいつもやってるよ。おにいちゃま〜って。ハートマーク付きで」
桑・小・水「・・・・」

しばらくして、酔った由美子ちゃんをもっちーが運んでいった。
みんなが新しい季節を歩き始めている。
あたしは奈々ちゃんとふたりっきりになった。ふわっとした秋風が心地いい。

水「なっちゃん、手紙、読んでくれた?」
桑「ううん、まだ・・・ごめんね」
水「いいの。もうあの手紙のはなかったことにして。それより、歌っちゃおうかな!」

奈々ちゃんがだれもいない星空に向かって歌うきれいな曲。それはPritsだけが知る
秘密の歌、Pritsライブのために作られたとっておきの一曲だった。
Prits消滅のあの日を境にみんながこの歌の存在をないものにしていた。

水「知ってる?Pritsはまた集まれるんだよ」
桑「え・・・?」
奈々ちゃんの衝撃のひとことだった。

水「もうすぐこの曲を歌う日が来るの」
桑「もしそれがほんとなら・・う、うれしいよね!」
水「うん・・・・うれしいよ・・・うれしいよ!・・・でもね、それが私たちの本当の
 解散の日なの。Prits最後の日になるの」

どんなことにもいつかは終わりはくる。奈々ちゃんの告白にあたしの心はゆらいだ。
Pritsを引き離したひとたちのせいにすることで、Pritsがエンドレスなんだって、
なんとか自分に言い訳をつけてきたのに。こみあげる悲しみと悔しさが抑えきれない。
この4人と過ごした日々がほんとに過去のものになろうとしている。

桑「・・・!」
呆然とするあたしの後ろから奈々ちゃんが抱きついた。
片手はあたしの手を、もう一つの手はあたしの胸を・・・。

水「みんなと、なっちゃんと離ればなれになりたくないの」
桑「だ、大丈夫よ。今だって十分仲良しだし、これからだって・・・や、やだ。
 そんなに強くされたら」
水「だれも見てないよ・・・・・いまは、私のことだけ考えて」

熱いくちづけと、愛撫。最初で最後の肌のふれあい。
こみ上げる快感にうち震えながら、必死で浴槽の岩肌をつかむふたり。お互いの吐息と
汗がからみあった。
あたしはもっちーの視線をはっきりと感じつつも、奈々ちゃんの思いを全身で
受け止めようと決意していた。

Pritsライブの日、きっと夢を語るだけだったあの日のあたしたちが幼く見えるくらい
素敵になって歌えるはず。
4人がふたたび手を取り合って。あたしたちの旅立ち、Prits最後の日を。