サイパンで撮影されている望月のDVD。
そこには私費を投じ望月との海外旅行を楽しむ桑谷の姿もあった。
その日の撮影に使われたプライベートビーチ。
深夜になると人の気配もなく静まり返る。
波の音だけが聞こえるなか2人は砂浜に座りながら話に興じていた。
望「なっちゃん」
桑「どうしたの?」
望「どの星がどんな星座を形作るか分かる?」
桑「ううん、全然」
望「あのね、空の真ん中から右の方に明るい星があるでしょ?」
桑「うん、すっごく明るい星があるね」
望「あれがりゅうこつ座のカノープスなんだって」
桑「へえーっ」
望「全天で2番目に明るいんだよ」
桑「そうなんだ。もっちーって意外と物知りだよね」
望「えへへっ。それでね、右側に明るい星のかたまりがあるでしょ」
桑「うん、あるある。あれ?あれってよく写真とかで見たことあるよね」
望「うん。あれが南十字星なんだって」
桑「ふーん」
望「ねえ、なっちゃん」
桑「うん?」
望「本当にサイパンまで来て良かったの?」
桑「何で?」
望「だって仕事が」
桑「2、3話分収録してるし、3日ぐらい大丈夫」
望「でも…」
桑「それに、ラジオなんかもっちーがいないと収録できないじゃん」
望「それは…そうだけど」
桑「だから大丈夫」
望「うん。なっちゃんと一緒に海外に来れて良かった」
桑「あたしも、もっちー」
望「あの…なっちゃん、それでね……」
桑「改まってどうしたのよ、もっちー」
望「ちょっとね…恥ずかしいんだけど…」
桑「なに?」
望「ここで…」
桑「え?」
望「こ、ここで…して…欲しいの……」
桑「ええ?」
望「ここでしか出来ないから…」
桑「本当に?」
望「うん……」
桑「誰か来るかもしれないじゃん」
望「夜も遅いし…大丈夫だと思うから…」
桑「………」
望「じゃないとわたし……」
桑「もう、本当にもっちーたら、いやらしい子なんだから…」