まだ4月だというのに、いやに熱い朝のことだった。
水色のカーテンから注ぐ陽の光で夏子は目を覚ました。隣のふとんから
久代が頬杖をついて夏子の顔を見入っていた。
久代「おはよう、なっちゃん」
夏子「ふぁぁ・・・おはよう、もっちー」
まだ意識がはっきりしない夏子。それに呼応するかのように、隣で寝ているロロも
目を覚まし満足げに伸びを始める。
そんなロロの様子を嬉しそうに見つめながら、夏子は純白の毛布から出ようとした。
夏子「あれぇ・・・なんで私、こんな格好で寝てるんだっけ」
うつろにつぶやきながら、夏子はハッと目を覚ました。血の気が引く思いだった。
夏子のうろたえようを久代はくすくすと笑いながら見つめる。
久代「昨日のこと・・・」
夏子「あ・・・」
たちまち夏子の顔が赤みを帯びていく。すこしずれたキャミソールの肩ひもを
慌てながらぎこちなく直した。
「恥ずかしい・・・」夏子の全ての感情はその一言につきた。
望月久代26歳の誕生祝い。
ほんとは夏子から久代にあげるつもりだった、自分自身の最高の“奉仕”は
少しだけ感じるのが早かった自分の絶頂でふいになった。
いや、自分のせいだけではなく、久代の巧みな指技に。
これまではいつだって自分のリードで久代を導いてきた。それなのに久しぶりに肌と肌が
触れ合ったとき、ファーストコンタクトでこれまでと違う快感が夏子を駆け巡った。
久代はすっかり「上手」になっていた。
久代「気持ちよかった?」
夏子「・・・」
久代「久代の方がすこしお姉さんなんだからなっちゃん」
夏子「・・・」
夏子は毛布をかぶり直してそっぽを向いて何も答えなかった。一緒のロロはもう
十分寝たよという表情で毛布からはい出していった。
久代「なっちゃんのあの時の顔、かわいかったよ」
夏子「・・・うん」
夏子は力ない声で泣きそうに答えた。いつだって自分より幼いと思っていた
もっちーに絶頂を見られた恥ずかしさと共に昨日の熱い記憶がよみがえってくる。
そんな夏子の気持ちを察したのか、久代はそっと夏子の背中を抱いた。
久代「ふたりでシャワー浴びよっか」
夏子は無言でそっと頷いた。